HOME > Artist Index > Junko Matsumoto (松本淳子)

Junko Matsumoto | 松本淳子

バイオグラフィー

 「Guaglione(ガリオーネ)」などのヒット曲で知られるナポレターナの巨匠アウレリオ・フィエロの弟子で、正調ナポレターナをナポリ方言で歌う日本人女性歌手。
 子供の頃からミルヴァやフェルッチョ・タリアヴィーニのカンツォーネに魅せられて声楽を勉強し始め、後にアメリカに留学。帰国後しばらくのブランクの後、日本のカンツォーネ界の草分けである荒井基裕氏に師事。
 1993年、荒井基裕カンツォーネ研究所主催の第1回太陽カンツォーネ・コンコルソでミルヴァの「人形のモニカ」を歌って入賞。主に都内のライヴ・ハウス等を中心に活動を開始。
 1995年の第3回太陽カンツォーネ・コンコルソでは、エドアルド・デ・クレッシェンツォが創唱してその後スタンダードとなった名曲「Ancora(アンコーラ)」で優勝。この頃からナポレターナに惹かれていき、同年11月単身ナポリに渡り、以来ナポリと日本との両方で精力的に活動されています。
 ナポリではアウレリオ・フィエロ夫妻の経営のレストランで歌い、1997年5月に「カンタマッジョ(「5月に歌う」の意)」に出演して評判となり、翌年イタリア全国ネットでテレビ放映される「VIVA! NAPOLI」にゲスト出演して「'A tazza 'e caffè(一杯のコーヒー)」を歌い、大きな話題となりました。アウレリオ・フィエロ一座のメンバーとしてイタリア各地、さらにはキューバまで同行したそうです。日本では、今はなくなってしまった渋谷のジァン・ジァンなどでコンサートを行っています。
 2000年3月ナポレターナ5曲からなるMAXIシングル「L'ultima tarantella(最後のタランテッラ)」を発売。そして、2000年10月、イタリアの作曲家が提供したオリジナル曲4曲を含むイタリア録音のアルバム「Straordinaria tu(あなたに)」を発売。イタリアでも発売が決定し、今後もさらなるご活躍が期待されています。
 さらに、2000年11・12月には師匠のアウレリオ・フィエロと、その仲間であるマリオ・マリオーネリタ・ロンディネッラが来日し、「ナポリ民謡の祭典 VIVA NAPOLI!」と題したコンサート・ツアーが行われました。

アルバム紹介

松本淳子 「Straordinaria tu(あなたに)」

松本淳子 (Junko Matsumoto) 「Straordinaria tu(あなたに)」 (2000)

 2000年10月25日発売の待望の初アルバムはイタリア録音、それも全員イタリア人ミュージシャンを起用し、イタリア人作曲家が提供したオリジナル曲を含んだ素晴らしい作品となりました。プロデュースはキングの新井氏とTony Labriola(トニー・ラブリオーラ)。そして、スーパーヴィジョン・ディレクターとしてあのVince Tempera(ヴィンチェ・テンペラ)が参加しています。レコーディングはレッジョ・エミリアのJOYというスタジオで行われたそうです。2.と11.のみ松本さん自身の日本語詞によって歌われていますが、他はイタリア語によって歌われています。
 まずは松本さんが数多くレパートリーにしているジェノヴァ派カンタウトーレの作品からルイジ・テンコの1.「Ti ricorderai(あなたを想う)」で幕を明けます。ピーノ・ダニエーレの2.「Quanno chiove(雨が降るとき)」、3.エドアルド・デ・クレッシェンツォの「Ancora(アンコーラ)」とナポリ出身の現代の歌手の曲が続いた後は、ナポレターナから4.「Tutta pe' me(全てを私に)」、5.「Nun e' peccato(悪くはないわ)」でググッとナポリに引き込まれていく感じ。そしてエンニオ・モリコーネ作曲のサントラからの6.「Metti una sera cena(ある夕食のテーブル)」は松本さんが好きなミルヴァが歌ったナンバーです。7.〜10.がオリジナル曲で、まずアルバムタイトル曲7.はジルダ・ジュリアーニの「パリは不思議」の作曲家として知られるジーノ・メスコリが書いた曲で、イタリアらしいメロディーの美しい曲。そして、ジァンニ・ボッビオの曲でF.R.メターノのナポリ方言の歌詞がついた8.「Oj Nì(オイ・ニー)」、ダニーロ・アメーリオの曲で本作のプロデューサーのトニー・ラブリオーラがナポリ方言の詞を書いた9.「Fino in Oriente(風の便り)」と続きます。その9.は少女がピクニックに行ったまま行方不明になってしまったという実際にナポリで起きた事件を歌っているそうです。10.は日本にもファンが多いカンタウトーレのフランコ・ファザーノの作曲による「Non si vive a metà(二人の旅路)」。ファザーノらしいスケールの大きい曲です。再び他の人が歌った曲に戻り、かつてナポリで大衆演劇の劇中音楽の作曲家として活躍したフェルディナンド・アルバーノの作曲による11.「E frennesia(狂乱)」、1989年サンレモ音楽祭優勝曲でアンナ・オクサファウスト・レアーリのデュエットによって歌われた12.「Ti lascerò(あなたを残して)」です。その12.はトニー・ラブリオーラがデュエット相手を務めました。1.のRepriseの13.がエンディング。
 本作はイタリアでの発売も決まっているそうです。日本人歌手のアルバムだという先入観を持たずに、イタリアの歌手のアルバムを聴くときと同じような気持ちで聴いていただきたいアルバムだと思います。
(キング KICP 745)


松本淳子 「L'ultima tarantella(最後のタランテッラ)」

松本淳子 (Junko Matsumoto) 「L'ultima tarantella(最後のタランテッラ)」 (2000)

 初のCDとして発売されたMAXIシングル。1.「Fenesta vascia(低い窓)」、2.「Serenata napulitana(ナポリ人のセレナード)」、3.「'A tazza 'e caffè(一杯のコーヒー)」、4.「Era de Maggio(五月だった)」と、タイトル曲5.という松本さんのレパートリーとしてファンにはお馴染みのナポレターナ5曲が、中上香代子さんのピアノと赤岩大輔さんのマンドリンというシンプルなデュオをバックに歌われています。プロデュースはキングレコードの新井健司氏。テノール歌手が歌うナポレターナとは明らかに違う、これぞナポレターナの本来の姿、という演奏が楽しめます。
(キング NKCD 3324)

松本淳子 (Junko Matsumoto) ホームページ「VIVA! NAPOLI!」

 http://www.arabesque.co.jp/mj/index2.html

このページのトップへ